その前にダナンはどこ?
いきなり本題に入ったところで場所が分からないままでは何を言っているのかきれいさっぱりなのでまずは位置関係を確認することにしましょう。
ダナン(Da Nang)はベトナムの文字通りほぼど真ん中にある沿岸都市で、ベトナム第3の都市でもあります。南北ベトナムに分裂していたときは南ベトナム側で、北との境界にほど近い場所でもありました。
ベトナム ダナン
そんなダナンですが今では世界的にミーケービーチを中心にリゾート都市としても成長するようになっており、また、ホイアン(Hoi An)やフエ(Hue)への観光拠点として使う観光客も多いです。
そんな成長が目覚ましいダナンですが市内を流れるハン川にはどこかノスタルジックに感じずにはいられない風景が残っています。それが今回紹介する漁業風景です。
注:写真をクリックするとオリジナルサイズの大きな画像で見られます!
都会の中の漁業風景
ベトナム第3の都市であるダナンですが滞在が短かった筆者はあまりいわゆる「名所」を殆どまわっていません。その代わりに何も考えずにハン川沿いを歩いていると気が付けば目の前に小さな手漕ぎの船がありました。
繁華街に近いところで手漕ぎの船を使った小規模漁業、今ではあまり見られない光景だと思っていたのですが少なくともここダナンではまだ見ることができます。
ちょうど網(刺し網?)を引き上げていたのですがここでは一体何を漁獲しているのでしょう?
船も小さいのであまり大物は狙えるとは思いませんが.....。漁獲物を見ることはできませんでしたが川エビなら考えられそうです。エビならそれなりにいい値段で売れますからね。
ハン川の対岸に目線を変えると青いカラフルな船がひしめき合っているのが見えました。
最初はローカルクルーズ船か何かと思ったのですが網のようなものもわずかながら見えたので漁船と分かりました。
写真ではキューピーの看板が映っていますが他に東芝など、日本企業の看板が背後でひしめき合っており、ベトナムにおける日系企業のプレゼンスの濃さというものを実感した瞬間でした。翌日、日曜日の朝は少々早起きして対岸に渡ってみることにしました。
我ながらに今のベトナムをよく表した写真なのではないかと筆者は勝手に思っています。
写真の左側を見ればそこには建設中の高層ビルがズラリとまでとはいかずとも並んでおり、急速な経済発展を成し遂げているベトナムのひとつの側面と言えるでしょう。
対する右側は昔ながらのカラフルな漁船がズラリと並び、真ん中では小型漁船が浮かんでいます。経済成長しつつも昔の姿もとどめている過渡期ならではの光景なのでしょうか。
昔ながらの漁船が所狭しと並ぶその背後には建設中の高層ビルをはじめとした近代的な街並みが広がっています。
この界隈を歩いている観光客の姿はあまり見受けられませんでしたがある意味写真映えするところです。
手前は漁船でごちゃごちゃになっていると思えば背後の近代的な街並みの中にも建設中でごちゃごちゃしているところがあり、この写真は一言でいえば「カオス」とでも言ったところでしょうか。
この青い漁船ですがよく見ると写真のもののように先端部(?)に十字架がたっています。
ベトナムでキリスト教のイメージは湧きにくいかも知れませんが実際にはフランス統治下で各地にキリスト教会が建設されており、実際にキリスト教信者の人口は今でも多いとのことです。
それにしてもこのような事情を漁船からも垣間見ることになるとは驚きでもあり、発見でもありました。
ベトナムと言えばもうひとつ欠かしてはいけないアイテムがあります。
それはバイクです。
ということで何とかしてバイクと合わせてよりベトナムらしい写真にできないかと思えばあっさり見つけました。
それにしても歩道であっても躊躇なくバイクを乗り入れてしまうあたりがさすがベトナムとでもいったところでしょうか。ここの界隈は歩行者が殆ど見当たらず、ある種ゾンビ状態だったのでバイクが遠慮なくスピードを飛ばして走る光景もしばしば見受けられました。
写真の2台のバイクも間もなく漁船の乗組員が乗って歩道を爽快に(?)走り抜けました(笑)。歩道でも安心はできませんね....。
再び目線をハン川に戻すとおびただしいとまでいかずとも多くの漁船が爽快に水面を滑走していました。
中にはベトナムのあの三角帽(?)をかぶっている乗組員もいてやはりベトナムにいるんだなぁと実感したものです。個人的にこれはお気に入りの漁業風景写真です。
おわりに
かなりマニアックな内容で恐縮ではありますが視点を変えればこのような写真旅行も楽しめるのがダナンの魅力ではないでしょうか。近代要素と昔ながらのものが共存する場所というのは不思議と写真映えするシーンが豊富なものです。
果たして5年後にこの風景は残っているのでしょうか?